概要
BuffaloIII DACのシステムクロック切替での結果が良かったので、自作で、ES9018Sを2個使ったデュアルモノDACを製作したいと思います。
ES9018Sチップが10個単位でしか購入できないのと、1個の価格が高いので、制作する基板も5枚になりそうです。
基板サイズがDSD原理基板と同じ、クロック改造と、ES9018への電源を超低ノイズLDO採用、LCDは使わず、DIPスイッチで全設定可能、入力はSPD/IFと
I2S(PCM/DSD)のみとシンプルにすることまでは決めています。
最低限の目標は、LOWESTでロックすること、入力切替でノイズが出ないことです。
他にこんなことをすれば良い等の助言が頂けたら嬉しいです。
ES9018Sの価格次第ですが、コネクタ以外の部品は全部付属して、なるべく安く提供できるようにしたいです。
制御用のマイコンを検討中です。
8PinDIPのマイコンを考えていましたが、FIRフィルタの切替をやるには8KBではメモリ不足です。
いつのも28PinDIPのマイコンなら32KBあるので余裕ですが、サイズが大きいのが問題です。
サイズよりメモリ容量を重視した方が、機能不足にならないので良いでしょう。
マイコンは、ATmega328Pで、3.3V、8MHz動作とします。
32KBのマイコンだとLCDも楽に制御できますが、LCD表示はどうしようかな。
LCDがあると状態表示が出来て良いのですが、不要な時はLCDを付けない選択もできるので、LCD表示有りにしましょう。
そろそろ、回路図を書いてみよう。
確定仕様は、
ES9018S2個で、デュアルモノDAC。
SPDIFが1入力、I2S(PCM/DSD)が1入力。PCM/DSDは自動&手動切替。
電源は5V単一の6入力でLDO11個に分配します。
ピン設定によるシンプルモードと、LCDとロータリーエンコーダ設定の多機能モードを選択。
MAC用リコモンによる入力切替と音量調整。
44.1K系と48K系のシステムクロック用発振器。
という感じです。
基板を発注します。
10枚分の予約は終了しました。
動作確認後に次回の予約受け付けを再開します(4/21)。
注文して1ヶ月以上はかかると思っていたES9018Sが20個届きました。
一日遅れで基板も出来上がってきました。
今回は、スペシャル基板として基板の色を黒にしてみました。
プリントミスは有りましたが、配線の失敗はないようです。
部品をハンダ付けしました。
今回の基板は、ICのピッチが狭いのでハンダ付けの難易度が高いです。
慎重に作業して、約6時間で完成しました。
マイコンのプログラム製作に時間がかかりましたが、SPDIF、PCM、DSD入力での音出しが確認できました。
クロック回路か電源回りのおかげか、起動直後からロックします。
LCDは20桁4行と16桁2行のどちらか悩みましたが、両方に対応することにしました。
但し、プログラム容量の関係で、出荷時にどちらかを選択して頂いて、それぞれ専用のマイコンとなります。
ES9018Sが結構な発熱なので、放熱器は必須のようです。
注:ハイレゾの再生時です。
44.1KHz/48KHz系クロック切替が効いているようで、DPLLがBest、Lowest、No Bandwidthの設定でも関係なく安定してロックしています。
水晶発振器の揺らぎで完全固定とは行きません(でもロックが外れる事はありません)が、音源を忠実に再現してくれます。
予約分の頒布を終了しました。
今後、予約募集するかは、少し休んで考えてみます。
5/20
入力がSPDIFのみ時に、再生音が途切れる問題が見つかりました。
最終テスト時、I2S入力も入れていたので気が付きませんでした。
取り敢えず、ステータス画面に切り替えると回避できます。
もう暫く様子を見て、購入者には修正マイコンを発送します。
5/26
修正マイコンを発送しました。
基板ミスを修正したバージョンの予約を開始しますが、予定枚数になったら終了します。
頒布は早くて2週間後となります。
5/27
ES9018DMの設定組み合わせ制限は以下の通りです。
・SPDIF、DSD入力では、Use OSFにしないと音が出ません。
・PCM入力で、DPLL SettingをUse DPLL(x1)にすると、Low以上のハイレゾでロックしにくくなります。
OSF Bypassにすればロックします。
・No BandWitdhでUse DPLL(x1)では音が出ません。
Multiply DPLL(x128)にすれば音が出ます。
・DSD512は音はでますが、ノイズが入ることがあります。入力環境のためかも判りません。
ES9018DMは、ES9018Sの設定をほぼそのまま設定出来ます。
制御プログラムで特別な設定はしておりませんので、設定で音が出なかったりするのはES9018Sの仕様となります。
ES9018Sのデータシートの内容は、守秘義務の契約のため、公に出来ませんので、ご了承ください。
5/31
製作マニュアルをRev1.4に改版しました。
予約基板は残り3枚です。
ES9018Sはオーバーサンプリングデジタルフィルタのカスタマイズが可能です。
ES9018DM DACではプログラム容量の問題で諦めていたのですが、プログラムを工夫して対応可能になりました。
FIRフィルタは一次フィルタが64TAP(Quantized 32bit)で、二次フィルタが16TAP(Quantized 28bit)です。
オーバーサンプリングは8倍だと思います。
内蔵のFast Roll-offとSlow Roll-off以外に、5パターンを用意しようと思います。
一般的な線形位相(Linear Phase)と最小位相(Minimum Phase)、それぞれのFast Roll-offとSlow Roll-offで4パターン、後何か1パターンです。
ESS社ではMATLABの使用がお薦めのようですが、設定ツールが高くて購入出来ません。
どなたか、FIRフィルタの係数を提案して頂けないでしょうか。
6/1
昨日のFIRフィルタの説明に間違いがありました。
FIRフィルタは一次フィルタが64TAPで、二次フィルタが28TAPです。
二次フィルタは線形位相のみとなります。
線形位相は自分で求めることができそうですが、最小位相が駄目です。
今回の予約分には間に合わなそうですので、期待せずにいてください。
6/5
自力で作成した線形位相と最小位相のFIRフィルタを試してみましたが、オリジナルを超えるどころではなく、イマイチな音しか出ません。
今回の予約分への機能追加は諦めました。
疲れたので暫く係数求めはお休みします。
6/7
予約された分は明日発送します。
基板Rev1.1に対応した製作マニュアルはRev1.5となります。
6/15
頒布終了しました。
カスタマイズFIRフィルタですが、仕様が判ってきたので、目標とする音作りが少しづつ出来るようになってきました。
そのうちに公開できると思います。
次は、ES9018K2Mを使ったデュアルモノDAC基板を作りますが、成功するか不明なので頒布はしません。
7/25
カスタマイズFIRフィルタも最小位相だけですが暫定版として作りました。
入力信号と同期したBCLK(MCLK)逓倍クロックを使うとLowestで完全にロック出来ます。
完売しましたので、頒布終了しました。
頒布について
・ES9018DM DAC基板(Rev2.0 主要部品セット込) LCD20桁✕4行タイプが32,000円 残り0セット
・ES9018DM DAC基板(Rev2.0 主要部品セット込) LCD16桁✕2行タイプが32,000円 残り0セット
※部品セットに関しては、制作マニュアルに記載してあります。
・ES9018DM DAC基板 LCD20桁✕4行タイプ用マイコン(Rev2.1)が600円
・ES9018DM DAC基板 LCD16桁✕2行タイプ用マイコン(Rev2.1)が600円
・ES9018DM DAC基板 OLED20桁✕4行タイプ用マイコン(Rev2.1)が600円
・ES9018DM DAC基板 OLED16桁✕2行タイプ用マイコン(Rev2.1)が600円
※マイコン(Rev2.1)は、基板Rev1.0/1.1/2.0のいずれにも使えます。操作に関しては、製作マニュアル Rev2.1を参照ください。
※OLEDマイコンの16桁✕2行タイプは初期化処理が20桁✕4行タイプと違うため、動作しないので、一旦対応を中止します。
送料は、基板セットはレターパックライトの360円のみ、マイコンは普通メール便、速達メール便、レターパックライトとなります。
希望される方は、私宛(yanaアットマークyanasoft.jp)まで、題名「ES9018DM DAC基板頒布希望」でメールをください。
メールには、希望する基板名と枚数、発送方法の指定、送り先(郵便番号、住所、お名前、電話番号)を記入してください。
こちらから返信メールで振込金額と振込先をお知らせします。
製作マニュアル
・ES9018DM DAC基板(Rev2.0)の制作マニュアル Rev.2.1 ES9018DM_2_1.pdf
・ES9018DM DAC基板(Rev1.1)の制作マニュアル Rev.1.5 ES9018DM_1_5.pdf
・ES9018DM DAC基板(Rev1.0)の制作マニュアル Rev.1.4 ES9018DM_1_4.pdf
回路図
・ES9018DM DAC基板(Rev2.0)の回路図 ES9018DM_DAC_2_0.pdf
・ES CLOCK基板(Rev1.0)の回路図 ES_CLOCK_1_0.pdf
・ES9018DM DAC基板(Rev1.1)の回路図 ES9018DM_DAC_1_1.pdf
・ES9018DM DAC基板(Rev1.0)の回路図 ES9018DM_DAC_1_0.pdf
※部品名や値などは、実際とは異なる場合があります。