金田式DAC製作のその2

金田式DAC製作のその後の製作記事です。

やなさんDAC2の製作

やなさんDACを製作して一年が過ぎました。
このままでも何の不満もないのですが、少し改造しようかと思ったりして。
こんな物を購入しました。

ASRC

ASRC(非同期サンプルレートコンバータ)で、ディジタルオーディオ信号のサンプル周波数を変更するものです。
最高192KHzの信号に変換できます。
周波数を高く変換(周波数間は補正される)することで、DAC変換時に高いレートのままになるため、音が良くなります(はずです)。

更に、こんな物も購入しました。

メモリバッファ

ASRCを製作しましょう。
簡単に出来ましたが、キットの部品のままでは96KHzまでしか対応していないと思いこんでいたので、ICチップを高速版に変えました。
実はこれが大失敗で、192KHzが出力されませんでした。
色々といじっていたら、壊れてしまって、再購入して、元々のICチップを使って製作したところ、192KHzまで出力されました。
電源は、3端子レギュレータを使わず、外部から5Vと3.3Vを電源レギュレータから入れるように改造しました。

ASRC基板

続いて、メモリバッファの製作です。
こちらも96KHzまでの対応となっていますので、192KHzまで対応するために、ICチップを高速版に変えてあります。
ICチップの数が多いので、ハンダ付けが大変でした。
二階建てになっています。

メモリバッファのメイン基板

メモリバッファのドータ基板

ASRCとメモリバッファを使うと従来のデジタル部のDAI回路が不要になります。
そんな訳で、DAC部だけのデジタル部を製作します。
この回路は何回も作っているので、問題なく完成です。
実はやなさんDACが96KHz以上のデータがうまく再生できないことが判り、その原因となるような個所の対処も行ってあります。
金田式真空管DACで発表になった、BZC(バイポーラーゼロキャンセラー)回路も追加しました。
この回路により、アナログアンプ部のトランジスタの発熱が抑えられ、音がよくなります。

DAC部

今回は基板が増えたので、電源も5個(+5V,+5V,+3.3V,+3.3V,-12V)必要となりますので、頑張って製作します。
金田式レギュレータは発振しやすいので、安定している藤原式レギュレータを採用しました。

電源レギュレータ

次に、ケースに収めて行きます。
最初は、ASRC基板です。
ICチップの上に、銅箔を張り付けていますが、音がおとなしくなったので、最後に全部剥がしました。

DAC2組み立て1

ASRC基板の上にメモリバッファ基板です。

DAC2組み立て2

メモリバッファ基板にドータ基板をセットします。

DAC2組み立て3

メモリバッファ基板の上にDAC基板です。

DAC2組み立て4

デジタル基板用の電源レギュレータも二階建てにしました。

DAC2組み立て5

アナログアンプ用の電源と、電源トランスです。

DAC2組み立て6

その電源の上に、アナログアンプ部を置きます。アナログアンプはやなさんDACからの流用です。

DAC2組み立て7

全体図です。

DAC2組み立て8

正面はこうなります。今回は今までのやなさんシリーズとは違うケースにしてみました。
ASRCのON/OFFやサンプルレート周波数の切り替えで出来ます。

DAC2正面

後面です。今回は音を優先してヒューズは省いてあります。

DAC2後面

試聴した感想としては、
192KHzだとなめらかに感じます。
低域がのびて太めになった。
定位も良いです。
ノイズはまったく感じません。
金田式DACで感じていた若干キンキンするとげとげしさが消えたかな。

結構大変な製作でしたが、結果として、やなさんDACを越えることが出来たので、ほっとしました。
後日談になりますが、現在はやなさんDAC2は分解されて、ASRCやメモリバッファを外してやなさんDAC1として復活しています。
ASRCやメモリバッファを通すと鮮度が落ちるようで、音に楽しみなくなります。あくまでも私感です。

FN1242A DACの製作

これで弾みがついたのか、新潟精密のFN1242AというDACチップを使ったDACも作ちゃいました。

左がCS8416を使ったDAI部で、右がFN1242AのDAC部とアナログアンプ部です。
アナログアンプの回路は金田式にしてありますが、金田式DACのアンプ部の三分の一ですみます。

FN1242Aその1

以前作ったプリアンプのケースに組み込みました。

FN1242Aその2

FN1242Aその2

試聴しましたが、悪くはないんだけど、訴えるものもない普通な感じなんです。これが特徴なのかしら。
PCM1794Aに比べて、暗くてレンジが狭いカマボコと思われます。
もう少し聴いてみないと断定はできませんが、今のところでは私好みではないかな。

続くから、大分、時間が過ぎてしまいましたが、仕事が忙しくて更新をサボっていました。

他所ではFN1242Aは良いと評価されていたので、何故、私のFN1242Aは駄目なのかと思い、試しにアンプ部の電源部をやなさんDAC3と同じにしてみました。
これが当りで、今時の最新DACにも劣らない音に変身しました。
音が細身なのはこのDACの特徴かと思いますが、クラシック向きですね。
残念ながら、私好みではないので、ここまでとします。